第4章 旅の呼吸
「…一瞬で…」
「…睦月は親戚と親しくする睦びの月っていうからね。二体いたし、一緒に送ってあげた方が寂しくないでしょう」
そう言って刀を鞘に納める
…で、お堂の中に向かう
目的があるとはいえ、流石にこの惨状をそのままにするのは忍びない
「あの、埋葬…するんですよね。俺手伝います」
「…ありがとう炭治郎。でも禰豆子ちゃんは離しておいた方がいいよ。流石にこの光景は辛いだろうしね」
「わかりました。…依千さんは、その…大丈夫なんですか?」
「〝今は〟ね。もう少し夜が更けてきてたら私もきついかなー」
そう言いながら、お堂にあった備品を借りて穴を掘る
私は普通の鬼と違って色々と作りが特殊な鬼だから、こう言った血の匂いに当てられてもそうそう取り乱すことはない
というか血に少しばかり耐性があるだけなのだけど…
穴も掘り終わって、埋葬もし終わる頃
炭治郎と共に手を合わせて一礼をして…さあ再出発というのそ直前
炭治郎が振り返った真後ろには天狗の面をした御老体が立っていて、思わず炭治郎が声を上げた
「うわああ!?…び、びっくりした…」
「ってあれ、よく見たら鱗滝さんだ。お久しぶりです」
「ああ…数年ぶりだ。お館様はご健在か」
「まぁぼちぼちです…容態は悪くなる一方ですね」
久し振りに会った鱗滝さんと少し世間話をしたところで、炭治郎の方に向き直る