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え、この歳で女子高生?勘弁して下さい

第1章 1限目




相澤side



今日もいつもの居酒屋で同僚のマイクと仕事終わりに飲み会。
正直疲れてるから行きたくはねぇが、そこはまぁ友人として行ってやっているんだが。
毎回毎回ぐちぐちとクソデカい声で愚痴を聞かされる俺の身にもなって欲しい…。
ベロベロに酔ったマイクをタクシーに突っ込み、行き先を言って見送る。
いつもは俺もタクシーで帰るんだが、今日は何故だかこの家までの遠くない距離を歩いて帰ろうか、なんて気になった。



歩いて帰るなんて合理的じゃない、だが久々に歩く街並みにこんなもんもあったのか、なんて発見などもあって悪くはないなと思った。
暫く歩き、そろそろ家も近いななんて考えていると、少し先に女性がしゃがんでいるのが見えた。
こんな道のど真ん中でしゃがんでいるんだ、具合でも悪いのか?
身なりは置いといて、これでもヒーローの端くれだ。
困っている人などは見逃せない。



ゆっくりとその人物に近付くと、数年前までは頻繁に顔を合わせていた人物だと言うことに気が付き、スッと近くの電柱の影に隠れた。
いや、なんで隠れる必要があるんだ…本当に今日は合理的じゃないな、なんて思ったが今更出ていってもなと、電柱の影から彼女を観察することにした。




どうやら彼女自身が具合悪かった、とかではなかったようで、足元には蹲っている小さな猫がいた。
よく見ると怪我をしているのだろうか、動かないようで、彼女は鞄を漁りその猫に怪我の手当てでも施すようだ。



絆創膏辺りを出すのか?そんな事を考えていると、取り出したのは小さいサイズの水が入ったボトル。
ん?傷口を洗うのだろうか…。
どうするのだろうと、見ていると開いたペットボトルの口から水が浮き出たではないか。



は…?あいつ無個性だった…よな…?
手品かなんかか…?いや、合理的じゃないだろ。



そのまま浮かせた水の玉を猫の傷口まで運び水の膜で覆う。
するとそこがキラキラと輝きだし、次第にその水自体が吸収されたかのようにして消えて行った。
すると動かなかったであろう猫が立ち上がり一声鳴くと走り去って行くではないか。



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