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え、この歳で女子高生?勘弁して下さい

第1章 1限目





それで、なんで隠してたか、ですよね。
最初に言ってた通り先祖代々無個性の家系でして。
両親がある日話をしていました。
知り合いの無個性の両親から個性有りの子が生まれた。
どうやらその子はコントロールが出来ず他人に怪我をさせたり物を壊してしまったりをしてしまい、その子の両親は毎日の様に泣き疲れ果てている。
私たちの可愛い累は無個性で良かったわ、個性なんかない方が幸せに暮らせるのよ、って。
あぁ、私は無個性じゃなきゃダメなんだ。
私は無個性だ。
そう幼いながらに結論を出しまして…。
幸い私はあの事故のおかげでコントロールが完璧だったので、バレる心配はなく今の今まで隠し通せてたんですが。

まさか、先輩に…見られてしまうとは…』




「話が長い、マイナス20点」



『えっ!?なんの採点ですかっっ』



「まぁ、大体の話は分かった」



『あれ、またシカト…』



「お前明日8時に雄英に来い。
色々な手続きは俺が済ませておく。
じゃあ俺は帰る」



『ちょっ、ちょっとー!!本当にマイペースなお人だなっ!!
私明日も仕事』



「休め」



『ええええっ!そ、そんな…クビになっちゃいますよ!!』



「そして辞めろ」



『酷過ぎるっ…』



「とりあえず俺は要件を伝えたからな。
絶対に来いよ、来なかったら分かってるんだろうな」



ジロリと睨みつけられ、身体が竦む。
あぁ…分かってます、怖い本当怖い。
玄関まで見送り、靴を履く先輩を見つめる。
久しぶりに会ったけど、なんにも変わらないな…まぁ小汚いけど。
なんて考えてたのがバレたのか、グルリとこちらを見る。
ビクッとして固まっていると



「また明日な」



そう言って何かが唇に触れた。
え、なんだろこの柔らかい感触…と考える暇もなくニュルリとしたものが口内に入ってきた。




『んんんっーー…?!?!』




そのまま軽く舌を舐め回され、チュッとリップ音を残して離れていく唇。
え、私…キスされ、た?
し、しかも…深いやつ…。
え、ええええぇっ!!?!?!?!?



「ふっ…じゃあな」




何も発する事が出来ずに閉まる扉に消えていった。



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