第1章 1限目
『えっ!!!
あ、あ、あ、相澤先輩っ?!』
え、何故に彼がここに!
そう目の前に居たのは学生時代の先輩であった相澤消太だった。
確か彼は今ヒーローをやっているはず。
あ、でも雄英体育祭に映ってたから教師…なのか?
あの見た目で…?
っと、睨まれているのでこれ以上の変な思考はストップさせよう。
それより何故ここに居るのか聞いて…ってちょっと待て。
今、彼はなんと言った…?
お前、無個性じゃなかったのか…って言いました…?
ダラダラダラと冷や汗が一気に流れ出る。
おおおお落ち着け…!!!
こ、これはヤバい。
ずっと隠し通し誰にもバレなかった個性を見られてしまった。
ここの道は滅多に人が通らないし、夜も遅い時間だからと何も考えず道のど真ん中で個性を使ってしまった。
あああああぁ、私のバカっっ。
どうしようか、目をキョロキョロしながら頭をぐるぐると回転させるが何も思い浮かばず。
よし、こうなればやることは1つしなない。
逃げる←
ダッと踵を返し、走り出す。
いや、走り出したんだが…。
気が付けば何か硬い布の様なモノに身体を縛られていた。
え、動かないんですけど。
「ちっ…何故逃げる」
『え、いや、ごめんなさい、離して下さい』
「ダメだ、また逃げるだろ、合理的じゃない。
この方が話し出来そうだしな」
『すいません、話すので離して下さい…』
「いや、とりあえずお前の家までこのまま送るわ」
『はっ?!この拘束された格好で!?!?
いやいやいや、どう見ても怪しすぎでしょ!!!』
「よいしょっと…あれ、お前ん家変わってねぇよな?」
『すいませーーーん、話し聞いて下さい』
拘束されたまま、俵担ぎされて私の家まで運ばれました。
夜とはいえ人が通らなくて本当良かった…。