第2章 2限目
「知っていると思うけど、今敵の動きが活発でね。
この雄英ですら安全面で色々あって強化中なのさ!
君を敵に渡す訳には行かないし、あわよくば戦力になって欲しいと考えているよ。
大人の狡い考えなのは許して欲しい。
それでも君は僕たちに協力してくれると信じているよ」
要はヒーローを目指してこの学園で今度は個性を伸ばす生活をし、ヒーローになれたならこの学園で働いて欲しい…と言うあたりだろうか。
ハッキリ言うと断りたい。
自分の年齢の半分くらいの子供達と勉学を共にしなければならないのは嫌だ。
自分は社会人なんだ。
27歳も歳を重ねて、今更ヒーローになる為に頑張るなんて…。
婚期的にも心配だし←
それに若い子怖い。
まぁ、それでも反対した所で既に決定事項と言っていたのだ、覆す事は出来ないんだろう。
別にヒーローが嫌いと言う訳ではない。
だけどヒーローを目指している子達みたいに、ヒーローに対して強い憧れがある訳でもないのだ。
そんな私がこの環境の中でやって行けるか…一生懸命に目指している子達に失礼ではないだろうか、など色々と考えてしまう。
ただでさて倍率の高いヒーロー科にポッと出の、しかも年上のおばさん(自分で言うと悲しい)が入って来たら…ああぁ、想像するだけで泣けてきそうだ。
『やるしか…ないんですよね…』
「そう!これは決定事項さっ!!」
『ドヤ顔で言われても…。
分かりました…とりあえず私に出来るかは分かりませんが、協力はさせていただきます…』
「君ならそう言ってくれると思ってたよ!
よし!早速君の教室に案内してもらおうかっ!
相澤君、頼んだよっ」
「はい。
おら、行くぞ」
『えっ…ま、まさか私の教室って…』
「俺の担当する1ーAだ」
『嫌です、B組にして下さい』
「却下」
『あぁあっ、即答!酷いっ!
嫌です、根津校長、B組にっ、B組にぃーーー!!
ちょっ、引きずらないで下さい…首絞まって…ぅわああぁーーー……』
「シビィ…」
「まぁ…気持ちも分かるけど…」
そうして累は相澤に首根っこを掴まれ引き摺られながら校長室を後にしたのだった。