第1章 1限目
「お前…無個性じゃなかったのか」
そう声を掛けるとビクッとしてこちらに視線を上げる。
大きい目を更に見開く累。
久しぶりに見たが、学生時代のあどけなさが抜けて美女になっていた。
いや、学生時代もあのうるせぇマイクが3倍増くらいでうるさくなるくらい騒ぐ美少女ではあったが。
薄水色の毛先に行くにつれ白になっていくグラデーションの髪の毛。
学生時代はセミロング〜ショートヘアくらいの間だったが、今はロングヘアのようで、耳下辺りで綺麗にお団子にしてある。
大きく見開いた目の色は髪の毛の色と同じ水色をしていて、とても綺麗だ。
まるで快晴の空を映したかのようだ。
顔立ちはフランス人形かのように整い綺麗な顔立ちをしている。
スッと彼女が立ち上がりオロオロしている。
背丈も昔と大差ないようだ。
165くらいだろうか、自分と並んだら丁度良い大きさだ。
スラッとしているが、出るとこが異常に出ているのを覚えている。
それもマイクや他の男共を興奮させていたんだが…。
あ、こいつ…逃げる気だな。
そう、昔からテンパったりすると逃げ出す癖があるのだ。
逃げ足が速く、何度か撒かれた事がある。
鍛えてるヒーロー科の俺を撒くなんてどんな脚力してんだよ。
さて…逃げられても困るので、自前の拘束具を構えると、案の定逃げたので即座に拘束。
そしてそのまま何度か行った事のある彼女の家まで抱えて向かった。
彼女とはイける所までイッた。
お互いに初めてだったので、ハマった…のは確かだ。
何度も身体を重ねた、時間の許す限りは。
それこそなんで別れてしまったのか、分からないくらい良好だった、はずなんだ。
いつの間にか会う事がなくなり、連絡さえ取れなくなって。
当初はこれでもかなり落ち込んだのは記憶に新しい。
何故ならあれから誰とも付き合っていないのだから。