第18章 猟奇の国のアリス/アリスパロ/色々キャラ
「不浄な赤を滅失しよう。2度と無駄な足掻きはしない事だな」
「ふざけるな…!」
「世界を統べる者はいつの世もキングの方だろう」
話の展開がわからない。
何やら嫌な予感がしてくる。リネルは不安げに声を荒げた。
「ちょっと待って!私の知ってるアリスの世界での王様は、王様は確かに出てくるけど…こんなキャラじゃない筈だよ!」
「なんだと?」
「この世界…やっぱりなんかおかしいよっ…」
「ここは元々何でもありな夢の世界。違ったか?」
「そうだけど、でも…王様の出番はやっぱりさすがにおかしいよっ…」
しばしの間、瞳を伏せるクロロの睫毛が微かに揺れた。
「仕方ない。そこまでわかっているならばタネ明かしだ」
「え?」
「見ろ」
クロロの右手に現れるのは覚えのある一冊の本。盗賊の極意のある1ページを見せられた。
その瞬間、リネルの瞳が大きく揺らめいた。
「これは…、………私?」
この夢に迷い込む前、現世の格好のままスヤスヤ眠る自分の姿がそこにあった。
クロロの唇がふっと弧を描いた。
「…愚かだな。何も知らぬフリをして大人しくパーティーに参加をすればよかったものを」
「え、」
「ご覧の通り お前の実体はオレの本の中だ。ここから出し目覚めさせなければお前はこの悪夢から二度と覚めることは出来ないぞ」
「どういう、こと…」
「説明は不要だ。これからお前は裁かれる 知っての通りな」
「な、何それっ」
「これから裁判を始めよう。お前の罪は “この物語の本質に気付いてしまったこと”だ。」
「…嘘、…っ」
「アリスならば当然、判決結果は知ってるな?」
「…ッ、」
クロロがばさりとマントを翻す。
まるで魔法のように周りの景色が一変してしまった。いつの間にか 天井の高いホールに見える場所にいた。目の前には裁判台があり、裁判官の位置に 頬杖をついているクロロの姿が見えた。
「簡潔に言い渡そう。判決は……」
「ちょっと待って」
陪審員席からいきなり高い声がする。そこにいるのは幻影旅団の面々達、声を出したのはマチだった。