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〈短編〉H×H

第18章 猟奇の国のアリス/アリスパロ/色々キャラ


厳密には女王様は味方とは言い難い立ち位置であるが、とりあえずそう答えてみると ようやく体に巻かれた鎖を解かれた。

鎖を右手に収めるクラピカは緋目のまま リネルに近寄ってくる。サラッと流れる柔らかそうな髪からは ピアスが覗き キラリと光を放っている。

目の前まで来るとクラピカは想像よりも背が高い、綺麗な顔を見上げていると鋭い口調が降りてきた。

「味方ならば助言しよう パーティーが始まる前にこのふざけた世界を解除しすぐに夢から覚めるんだな」

「え…、?!」

「取り返しがつかなくなる前に私の命令を聞け」

「何がなんなのか、わかんないよっ」

「口答えに耳を傾けているほど時間がない。言う通りにしろ」

「…ちょ、ッ…あの」

真剣な眼差しを見せるクラピカの顔が目の前に広がれば 冷静に思考を巡らせることが出来ない。しどろもどろになるしかなかった。

「来い」

「え」


急に雰囲気がガラリと変わるクラピカに 腕を強く引かれる。植木の間に身を隠すと クラピカの両腕がリネルの身体を囲う。顔が一気に近付いた。

「?!…、く、くらぴか…?!」

「静かに。声を出すな」

「……ッ」

耳元で尖った小声がし、ますます顔が近くなる。

今のクラピカは格好もポジションも女の子であるのに、強引にこんなことをされると漫画の中で凛々しく闘っていた姿や時折見せる鋭い瞳を思い出してしまう。

バクバク言う心臓音を口の中で何とか飲み込み クラピカの身体に身を預けていた。

「……っ、」

そもそもハートの女王様がアリスに壁ドンだなんてシーンはあっただろうか。リネルは 答えを知っているはずの自問自答を頭の中で繰り返していた。



⇒ クラピカのハートの女王様
“唯一無二の宝なら 命に換える価値がある。味方であるなら敬服し敵であるなら服従を。絶対王政のその中に 誓いのルールを敷き詰める”


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