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〈短編〉H×H

第18章 猟奇の国のアリス/アリスパロ/色々キャラ


「そろそろパーティーが始まる。アノ人に見つかる前に…赤い薔薇を染めてしまった方がいいかもよ」

「赤い薔薇を?何色に?」

「女王様はとってもヒステリックだから見つかったら怒られるカモしれないけど」

「?女王様は赤い薔薇ならいいんじゃないの?」

「何度見ても花の赤ってのはどうにも気取ってて好きじゃないな」

「……」

白ウサギらしからぬ台詞を吐いた後、その狡猾な色を宿す瞳がリネルに向けられた。ビクッと瞬時に身が竦む、ヒソカは一輪の薔薇を無情にもぐしゃりと潰していた。

リネルはヒソカから目をそらし、ヒラヒラ舞う赤い花びらを無意味に目で追っていた。

「え、………っ?!?!」

突如身体に拘束感を覚え、慌てて身を思い切り捩った。その時には既に遅く 身体には鎖がぎゅうぎゅうに巻き付けられていた。後ろからは低いとも高いとも判断の難しい声が飛んできた。

「私の領地で何をしている!!」

咄嗟に振り返り、飛び込んでくる人物像に目を見開いた。

赤と黒のコントラストが映えるドレスと、頭上には黄金のクラウンを乗せたその姿は確認せずともハートの女王様である。右手中指からは真っ直ぐに鎖をこちらに伸ばしており、何やら穏やかではない様子。リネルは無意識にその人物の名前を口走っていた。

「クラピカだ……」

「例のアリスだな 赤い薔薇をどうする気だ」

「え?!」

薔薇も色褪せる程に 緋い瞳に見据えられる。元々中性的で性別不明のキャラではあるが、ドレス姿でも全く違和感がない。

クラピカが一体何を勘違いしているのかわからないが、助けを求めてみようにも その場にいたはずのヒソカはいつの間にか姿を消していた。

「ええと、女王様の薔薇は赤だし ここには赤薔薇しかないし私は別に何もしないよっ…」

「本当か」

「ホントだよ!これはそういうお話なんだもん」

「この世界のアリスは私の味方、ということか」

「え?うん、多分…」



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