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〈短編〉H×H

第18章 猟奇の国のアリス/アリスパロ/色々キャラ


⇒ act.6 ハートの女王様

「パーティーへの近道ならばこの道を真っ直ぐ進んだらいい」

茶会の後、そうイルミが教えてくれた道をひたすら進んだ。結局白ウサギであるヒソカには1度も会うことはなく そろそろ物語も終盤に差し掛かる気がした。

「ヒソカに会えないままでこの物語は終われるの…?アノ人ってやっぱりクロロなのかな この流れだとハートの女王様のポジション?」

そんな事を考え足を急がせていると、変則的だった道がいつの間にか規則的で整備された道に変わっていた。前後左右を見渡して見れば、そこにはハート形に造られた植木が並び 真っ赤な薔薇が見事に咲いていた。

視界に入るのは全てが赤い薔薇ばかり。「誤って植えられた白薔薇を染める」というのが元のストーリーではあるが、白い花は一つも見当たらなかった。

「よくここまで辿り着いたね」

「ヒソカ?!」

「ボクが恋しかったかい?アリス」

「え?!いや…」

いつの間に現れたのか、声の先には冷笑を浮かべた白ウサギことヒソカの姿があった。

「白ウサギを追い掛ける」この物語にはそんな大義名分があった。だがやはり 目の当たりにすると ヒソカの雰囲気はどうにも危険に見えて仕方なく 近付く気にもなれなかった。ヒソカ本人はそれを払拭するかの如く、美しく咲く薔薇に掌を添え そこに鼻先を寄せていた。

ヒソカに花とはかなりのミスマッチな筈なのに この世界の中では上品なウサギの格好をしているせいか 端麗な横顔に真っ赤が薔薇が絵になる程に映えている。つい目を奪われてしまう。



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