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〈短編〉H×H

第18章 猟奇の国のアリス/アリスパロ/色々キャラ


肩ごしに振り返るフェイタンの切れ長な瞳と目が合った、 胸からは変な音がする。そもそも執事服が嫌いな女子などいやしないし 形は違えどフェイタンには黒がよく似合っている。

色々話をしたいが それを拒むオーラをありありと醸し出すフェイタンには 声をかける事を少しためらってしまう。

「あの、フェイタン…」

「なんね」

「ええと、帽子屋さんて誰なの?」

「会えばわかるね」

「じゃあ、眠りネズミは?アノ人って?」

「オマエやかましいよ。注意散漫の隙ついて化け鳥が襲てくると面倒ね」

「……」

イカレたお茶会のキーパーソンでもある三月ウサギといえば、そわそわ落ち着かず話も行動も支離滅裂になる 三月の発情期のウサギを文字っていると記憶している。目の前のフェイタンは 怖い程静かに落ち着いているのだから そういう意味ではこの配役は、本人の言うように どこかおかしいとも感じる。

足元を見ながら とぼとぼ歩いていた。

「なにぼさとしてるか」

「え………ッ!!!」

何かが目の前を掠める。それは余りに一瞬で暗闇では目で追うことも出来るわけもなかった。

いきなりグラっと大きく変わる視界に 状況がわからなくなる。

「鳥に喰われて首落とされたくなかたら 前見て歩くね」

「……っ、えっと…、ッ」

「なんね」

「なんで私、……担がれてるの、っ」



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