第17章 夜伽/18歳くらいキルア/裏/夢主使用人
その筋の人間ならば知らぬ者などいやしない、そんなゾルディック家に仕えて一年強くらいになるだろうか。奉公する身であるとはいえリネル自身にはこれといった特技も才能もないのだから 当然その任はただの小間使いであった。しばらくは、間違いなく。
『今夜 部屋来て』
それなのにいつからか通常仕事に「夜伽」というものが混ざってきた。どこかを認められ何故か目に止まったのか、単純に主の気まぐれなのか、理由はリネル自身にもよくわからなかった。
『はい…かしこまりました』
命令には忠実に。その教えをただ守り、主を喜ばせればいい。やるべき事は明確だった。
◆
いつもの通り 第二の業務をこなすよう命じられ、今夜も広いベッドの下に跪いていた。
時刻は深夜、女の肌が美しく滑やかに見えるよう調整した間接照明の中。全裸の上にゆるいナイトウェアを1枚だけ羽織り、うなじにはほんのり香水の匂いをしたためた。
物欲しげな表情をしながら、目の前で既に大きく反応を見せる 男性の身体の中心に位置する部位に意識を集中させていた。
「オレのココ、どうなってる?」
「大きくなっていて、…」
「それで?」
「硬くて 美味しそう、です…」
「咥えたきゃねだってみろよ」
ちらっと主に目を向ける。銀色の髪を片手でくしゃりと握りながら 口端を上げる表情に煽られる。
誘われるままゆっくりと、可能な限り扇情的な表情で ギリギリまでソレに顔を寄せる。だらしなく半端に開いた口から吐息を漏らし 下から上へ吹きかける。赤い舌先をちらりと覗かせ 舌を這わせる真似をする。口を開け くっきり露わになる先端の造形を包み込む練習をして見せた。
「キルア、様ぁ…」
「すげェそそる。この光景」
初めてこの任への白羽の矢が立った時はそれなりに抵抗心もあった。相手は権威ある主とはいえ やっていることは単純な性欲処理に他ならない。それでも拒否など出来るはずもなく 召されるままに何度か相手をさせられた。ただ不幸中の幸いなのは、女の身体は順応性が高く正直であるということ。次第に行為にも快楽にも慣れてはくる。
いつの間にかすっかりこの業務仕様に身も心も出来上がっていた。