第16章 もしも調査兵団の面接を受けたら/アダルトリオ/ギャグ
【ケース③】クロロさんの場合
「うちも人気が出たモンだな。だがやる気だけで務まる仕事じゃねえ、お前の志願理由は?」
「確たる動機がある訳ではない。…ただ興味があったんだ」
物静かな話し方をする黒いコートを纏う男に、リヴァイは確認を込めて聞いてみた。
「俺自身人のことは言えないが言葉が足りねぇぞ。何に興味があってウチへ来た?」
「お前に」
「俺、だと?」
「ああ。人類最強と謳われる男と聞いて気にならない訳はない」
コート男はクスリと喉から低い笑い声を漏らす。リヴァイは改めて口にした。
「勝手に崇拝する輩はゼロじゃないが、俺は芸能人やりたくて巨人相手に刃物振り回してるんじゃない。引き返せ、お前の来る場所じゃないのがわかっただろう」
「いや。実際に会ってみたら不足はなさそうだ…能無しの肉塊の処理なんかよりもお前のその技術をオレの元で活かさないか?」
「何の話だ」
「大きな仕事を考えている。強い奴が欲しいしお前にも手伝ってもらいたい。うちへ、…オレの所へ来い」
おかしい、何故かスカウトをされている。強気な姿勢を崩さぬコート男は ますます余裕を醸し出す。一体その自信の根拠は何だというのか。
「どうだ?リヴァイ…」
このコート男の目的は謎の組織への引き抜きだったのか。
乱れぬ黒髪のオールバックと見慣れない黒装束、額に神への忠誠を誓う模様までしたためた所は 案外アヤシイ宗教団体なのかもしれない……
コート男の片手が差し出される。
リヴァイの野生の勘が働いた。
「リヴァイ。後悔はさせない、オレと一緒に来い」
「……」
今日の志願者の瞳の色は、常軌を逸した雰囲気だったり、淀み濁った雰囲気だったりしたせいなのか…
コート男のくっきりした美麗な黒眼が異様に熱っぽく、ひたすら真っ直ぐに、そして限りなく気色悪く見える。
ただでさえ潔癖のリヴァイである。そっちの気のある野郎なのかもしれないと一瞬思うだけで 悍ましさに 顔が派手に歪むのがわかった。害虫は早くに潰し 徹底的に消毒しておくに越したことはない。
容赦も情けもない冷たい声で言い放った。
「追放だ」
_ 人人人人人人__
> 壁の外に追放 <
 ̄^Y^Y^Y^Y^ ̄ ̄
fin