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〈短編〉H×H

第15章 A線上の恋煩い/ヒソカ/オケパロ/その他キャラ


「それより早速聴かせてよ。“恋するフルート”」

舞台の縁に身を寄せるイルミの放った台詞に どくんと胸がなった。
「恋」だなんて余計な情報をリークするのはヒソカしかいないだろう、怖々ヒソカを見れば何食わぬ顔でA線を撫でている。

「こ、恋とか別に…あの、ですね」

「いいよ気にせず、判断はこっちでするし」

「??あのぅ、話が全く、見えないのですか…」

困り顔をイルミに向ければ、イルミは視線をヒソカに移す。
それをツンとかわしているヒソカの態度には白々しさしかない。

「……説明されてないワケね。いいよ、依頼元はオレだしこっちで話す。実はオレの爺ちゃんから“恋するフルートのトリオ”を2週間で完成させろって急な命令が出てさ」

「イルミさんの…お爺さま…?」

「うん。ゼノ=ゾルディックって知ってる?」

「!!!!!!あの作曲家の?!」

「そう。なんでも爺ちゃんがこの間海外のコンサートに行った時に フルート奏者だった初恋の人に会ったとか何とかで。青春を思い出して色々浸りたいから 彼女の切ない音色をテーマに早急に一曲仕上げろって無茶苦茶なオーダーが出てさ」

「はあ……。」

「年寄りの昔話に付き合わされるのも勘弁して欲しいよね。困り果ててヒソカに話してみたら、キミを推薦されたワケ」

なんともドラマティックな経緯だ。
とはいえ世界に名を馳せる巨匠からの依頼に応える自信なんて、リネルには微塵も有りやしない。不安が増すばかりだ。

「因みにそれ……完成出来なかったらどうなるんですか?」

「考えたくもないね。下手したら殺されるかも」

「え?ころ、され……?」

「うん。」

真顔のままジョークを言うイルミは 度々舞台に上がる。
そこに置かれていたこれまた随分枚数の多い楽譜を リネルとヒソカに手渡してきた。

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