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〈短編〉H×H

第15章 A線上の恋煩い/ヒソカ/オケパロ/その他キャラ


「ちなみにゴン 次の休みはいつ?ボクとデートをしよう、キミの為にセレナーデを練習していてね」

「せれなーで?せれなーでって何?」

「求愛の戯曲さ」

「ブチ殺されてぇのかクソガキが!ゴン塩もって来い!!」

「もう2人とも落ち着いてよーっ」

ヒソカは始終愉しげだ、謎の料理長だって迫力では負けていない。

ガラガラと引戸が引かれ、常連らしい客が次々と入ってくる。

「今日も来たぜぇ おーいゴンちゃん ロースカツご飯大盛り至急!ジョッキは速攻!」

「あっうん!いらっしゃい!……ほらジンも厨房戻ってよ」

ゴンに背中を押され威勢だらけの料理長はしぶしぶと言った雰囲気でその場を去っていった。
これもヒソカの日常茶飯事なのか、本人は悪態を気にもせず 運ばれたお冷を一口含んでいた。


こういった場所では何を注文するのがスタンダードなのか知らぬリネルは、とりあえずヒソカと同じ物を注文するしかない。
すぐに目の前に運ばれる大皿からは食欲をそそる香りがこれでもかと立ち込めてはいる。ただ、大ぶりな肉のどこから手をつけたら良いのかは極めて難しいところだ。

「さあ 食べようか。」

「はい、いただきます」

仕方なく、ワカメとネギの浮かぶ味噌汁に手を伸ばした時だった。

「ところで、」

微かなで音で割り箸を割きながら、ヒソカが問いかけてくる。

「今日フルートの音程が乱れていたね」

「!!……それは……」

「犯人はキミだろ?」

「…………………」

先ほどクロロにも指摘をされた フルートパートが主旋律を担う箇所のAの上擦りの件。憧れのヒソカにまでバレてしまっていたとは さすがに落ち込むものもある。
ヒソカの箸先が 味噌汁椀に柔らかく落ちて行く、それが視界の隅に映った。

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