第60章 カウントダウン/イルミ/スト―カーにあう死ネタ
その日は帰宅が遅かった。あるプロジェクトがようやく形になり、打上げ呑みがあったからだ。
trrr…trrr…
帰宅途中にまた例の無言電話がなる。出た所でどうせ無音だと結果はわかっているのに、その時は少し酔っていたせいか迷いもせずに通話ボタンを押した。愚かにも文句の一つでも言ってやろうと思った。
「もう、いい加減にして下さい!!!」
「ねえ今日の呑み会で話してた男だれ?」
「………え………」
「だれ?」
「……それは……」
「答えないならいいよ。調べればすぐにわかるから」
電話はプツンとすぐに切られた。ドラマに良くある高く割れた機械音がやたら大きく脳裏に残っていた。
キンと耳鳴りがする、一瞬で酔いが冷め 指先が氷のように冷たくなった。