第59章 キスまで100㎜/若イルミ/裏
求めているのはどういう行為かわかってはいても 今はまだイルミ自身を観察したい。身体の大きさと比例し 多少小さいのかと勝手に想像したが そうでもない様子。血液が細部にまで巡りハッキリ浮かび上がる太い血管が ソレをますます猛々しく見せ、今の細やかな身体にはアンバランスに映る。尻目からは 舐めとってもすぐに湧いてくる透明の液体がイルミの余裕のなさを物語る。
表情を伺ってみる。可愛らしい顔を乱す彼を見ていると 背徳心が芽生えてしまう。
「…いけないこと、してるみたい」
「やりたがったの、リネルだよ、」
「…可愛い イルミ」
「ならもっと可愛がってよ」
頭を掴まれ 口内に膨らむモノを埋められる。唾液が溢れそれを塗りたくるように 舌をねっとり這わせてゆく。片手で根元をゆるゆる扱きながら 口での抽送を何度か繰り返した。
「ァ、……出る……ッ」
予想はしたが想像よりもだいぶ早い。口内で弱く伸縮するイルミの感触と 広がる苦味が愛おしい。
見逃すまいと上目遣いにイルミを見つめれば 瞳を歪ませ快楽に集中していることに こちらの方がゾクゾクしてしまう。それを邪魔せぬよう 優しく体液を吸い出しながら 舐め摩る。ゴクリと喉を鳴らし、白濁液を飲み込んだ。
「……随分はやかった、ね」
「ね」
「この頃って、もしかして、…未経験だったりする?」
「うん 性欲ってモンがあんまりなかったし当然童貞だったし。物理的な刺激に身体が慣れてないみたい…」
イルミは くたりとソファに身を預け 口元で深めの呼吸をする。息をつきながら 長めの前髪に指を入れ かきあげた髪をくしゃっと握る。そこから見慣れた額が覗く。俄かに汗が滲んでいた。