第58章 満員電車/クロロ/現パロ痴漢
雨も上がった昼下がり。
打ち合わせが長引き 人が減り始めた昼食時の社員食堂の中、クロロは得意気に今朝の様子を語っていた。
「……ということがあったんだ、今朝」
「課長 自意識過剰」
小さな口に白飯を豪快に詰め込みながらマチが冷たい声を出した。
「捕まらなかっただけラッキーじゃないの?最近は勝手に痴漢扱いして示談金目当てにする子って多いらしいし」
シズクはパスタをフォークに巻き付けながら、上目遣いをする。クロロは若干肩を落として言った。
「…やれやれ、うちの女子社員は厳しいな。でもあれはどう見ても満更でもない顔だったぞ」
フィンクスがニヤリとしながらクロロに同意を示した。
「わかる!満員電車でいい匂いの女と密着するとちょっとヤバいよな」
「フィン アンタは逮捕されないように気をつけな」
「うるせぇ。マチは痴漢にあったことねぇだろ、色気ないし」
「だったら何だよ。タダで触らせてたまるかっての」
「むしろさ。絶対わざとだろってくらい身体寄せ付けて来る女いるよねー」
さっさと食事を終えノートパソコンでクライアントからのメール返信をしながらシャルナークが口を挟んでくる。
「シャルの場合は別の問題だと思うな」
「え、シズクどういう意味?」
「んーと、例えば…」
シズクはくるりとその場のメンバーを見渡した。
「満員電車にフランクリンとヒソカとシャルナークがいたら消去法でシャルの近くに立ちたいと思うし」
「どういう意味だよ[D:63729]」
「暑苦しいのも変態も嫌だなぁって」
「…お前な…」
フランクリンは呆れた声を出した。クロロは頬杖をつき ふっと笑って言った。
「また会いたいもんだな あの子」
「会ってどうする気?」
マチが瞳を細くする。クロロは含みのある顔を見せていた。
「今の話の流れでわからないのか?」
「ハ?セクハラー」
「課長 最低ー」
「…ホントに言いたい放題だな うちの女子達は」
クロロは満更でもない様子で溜息をついていた。
fin