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〈短編〉H×H

第57章 クリスマスカルテット/アダトリ/ほのぼの逆ハ/大学生パロ


【02:30】

いよいよ眠気に襲われつつも、クロロとイルミのいきなりの告白を受けたことを思えば素直に眠る気にもなれなかった。リネルは ちびちびと酒を口に運んでいた。

「おや 今度は誰だろう」

こんな時間にも関わらず容赦無く音を立てる携帯を見る。ヒソカは少し面倒くさそうな雰囲気でそれを手にとった。

「…ヒソカもいい加減電源切ればいいのに」

「それでも構わないんだけどねぇ」

溜息をつきつつもヒソカはその場を立ち バルコニーに出た。

「…えと、ちょっとお手洗い」

「帰りに冷蔵庫から氷取ってきて」

「氷ね、はい!了解です、」

イルミとの2人きりの空間に耐えきれず、リネルは無理矢理に洗面所へ向かってみる。

しばらくして戻っても ヒソカは未だに電話中。リネルは困った顔をしながら元いた場所へ腰を下ろし 所望のものをイルミに手渡した。

空気を誤魔化すべくテレビのチャンネルを無駄にいじってみる。天気予報画面で リネルの手が止まった。

「明日、あ、もう今日か。クリスマス雪かもって」

「通りで寒いワケだね」

「ヒソカ風邪引いちゃうかな?…電話長いし…」

バルコニーに目線を投げる。思い立った用件をハッと口にした。

「あ!上着持って行ってあげようかな」

「…好きにしたら」

「でも邪魔かなあ 私の声聞こえたらまずいよね」

「むしろ聞かせてやればいいんじゃない?」

「あは、それはそれで、勇気がいるよ」

リネルは苦笑いを作った後 ヒソカのコートを手に取りバルコニーへ向かった。

声を出さぬようバルコニーに足を運ぶ。息が真っ白く見える程の寒さに 思わず身がすくんだ。

存在を察したのか ヒソカはいいタイミングで電話を切る。そして、くるりと振り返ってきた。

「ヒソカ 誰と話してたの?」

「ただのお友達だよ」

「嘘臭い」

「今、特定のカノジョはいないからその他はみんなお友達だろ」

ヒソカは相変わらずである。
リネルはわざと大きな溜息をつき、手にしていたコートを渡そうと 腕を伸ばした。

ヒソカはそれを受け取らずにリネルの手元をじっと見つめていた。

「…ヒソカ?寒いから着なよ」

「そういう意味ではリネルのステータスもお友達のハズなんだよね」

「え?」

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