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〈短編〉H×H

第57章 クリスマスカルテット/アダトリ/ほのぼの逆ハ/大学生パロ


「ねえリネル」

「ん?」

「クロロと付き合うの?」

「えっ…!!?」

折角忘れていた話題を蒸し返され、急にしどろもどろになるリネルは 派手に瞳を泳がせていた。

「いや、さっきのだってあれ…クロロのことだし酔った勢いで適当にそう言ったのかもわからないし、」

「本音だと思う 勘だけど」

「…ウソ…」

「どうするの?付き合うの?」

「それは、えっと。急だったしその、…」

リネルは下を向き声を小さくする、足取りが知らぬ間に止まっていた。

数歩先へ向かった後、イルミも歩みを止めた。

「迷うって事は言う価値はあるって事だよね」

「え…?」

「オレと付き合おうよ」

「っ……」

リネルは顔を上げる。そこには相変わらず素面にしか見えないイルミの姿があった。

「イ、イルミまで急に、なに」

「急でもないんだけど。言うきっかけがなかっただけ」

「冗談でしょ…っ」

「こんな時に冗談言うように見える?」

「見えない…」

「なら考えといて」

イルミはゆっくりした歩調で歩き出した。

数メートル進んだ後 まだ止まったままのリネルの方を振り返った。

「アイス溶けるよ 寒いから溶けないかもしれないけど。どうなんだろうね」

「え?さあ、わかんない、けど」

「寒いし早く帰ろう?」

「う、…うん」

「言っておくけど緊張してるのオレの方だからね」

「え?!全然そうは見えないよ」

「そうかな」

微妙な距離をあけたまま。殆ど会話もないままに 2人は並んでヒソカの部屋まで帰って行った。

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