第57章 クリスマスカルテット/アダトリ/ほのぼの逆ハ/大学生パロ
突然の告白に戸惑うリネル。
瞳を見開き珍しく驚く顔をするイルミとヒソカ。
彼等をよそに、クロロは噛みしめるようにしながらゆっくり言葉を紡いでいった。
「好きじゃなかったら、自分のサークル呑みを他に任せて わざわざヒソカの部屋になんか来るワケないだろう」
「…」
「オレここ3日くらい まともに寝てないんだぞ?なのにこんな所までわざわざ来るか」
「…」
「イブだろ今日は。リネルに会いたくて来たんだ、」
「えっと、もう、…日付は変わってしまった、みたいなんですけど…」
明らかに酔ってはいるものの いつになく神妙な言い方をするクロロに視線が集まる。
無言になってしまった空間を ヒソカの静かな声が破った。
「酔った勢いなんて。情けない告白だねえ」
「ま、クロロらしいけど」
いつの間にかリネルの耳元で寝息を立てているクロロを ヒソカが雑に引き離した。そして困った顔をしたままのリネルに笑顔で言った。
「クロロ来たし酒買い足そうか そのうち起きるだろうしね」
「え?あっうん、そうだね、…そうしよう!」
リネルはクロロに抱きつかれて乱れた髪を ささっと手櫛で整えた。
急にヒソカの携帯が音を立てる。画面を確認すると、小さな息をついてからヒソカはその場を立った。
リネルはそれを横目で見ていた。
話を逸らすのに最適な話題が発生した事に安堵の色を浮かべ、愚痴っぽくイルミに言った。
「ヒソカはまた女の子、かな…」
「さぁ?」
「新しい彼女候補かもね。何人いるんだろ」
「買い出し行こうかリネル」
ずっと飲んでいたとは思えぬくらい イルミは素早くその場を立ち上がる。すぐ様コートとマフラーを羽織るイルミを、リネルは面倒くさそうに見上げた。
「珍しいねイルミが自ら買い出しに行くなんて」
「クロロ潰れてるしヒソカ行かせると途中で女と消えるかもしれないし」
「確かにね。…でも私寒いしやだな イルミ行ってきてよ」
「今クロロが起きたら気まずくないの?」
「えっ…、」
「ほら 行こう」
返事も聞かずに部屋を出るイルミの背中を見届ける。 リネルは溜息を吐いてからその後ろについて行った。