第57章 クリスマスカルテット/アダトリ/ほのぼの逆ハ/大学生パロ
得意そうに笑みを浮かべ、まだ殆ど減っていないリネルのグラスにシャンパンを注ぎ足すヒソカの自然な動作を目で追ってみた。
「でも実際は本気で手に入れたい本命とかいないの?」
「……そうだなぁ。気になる子はいなくもないんだけど」
リネルは目を大きく見開いた。
「へぇ意外!ヒソカにもそんな相手がいるんだねー」
「まぁね」
「ヒソカなら余裕で落とせるんじゃないの?」
「だったら苦労しないんだけどねえ」
リネルは意味深に目線を伏せるヒソカを見ながら 少しだけ不機嫌そうな顔を作ってみる。
「と言いつつ、どうせヒソカは来週には新しい彼女出来ちゃうんだろーけどー」
「来週はさすがに早すぎやしないかい?」
「彼女出来てもたまにはこうやって飲んだりしてくれる?」
「今日みたいにリネルと2人ならいいよ」
「はいはい」
呆れた声でそう言いながらも満足気に微笑んだ。ヒソカは逐一震える携帯電話を手にとり画面を見ながら、小さな溜息を漏らしていた。
「にしてもクロロからのLINEうるさいな ボクってそんなに信用ないのかな」
「日頃の行いだよ しょうがないって!」
「本気になれば多分一途なんだけどなあ」
「よく言うよ!!」
2人は顔を見合わせて笑った。