第57章 クリスマスカルテット/アダトリ/ほのぼの逆ハ/大学生パロ
【13:00】
12月24日 今日はXmasイブ。
リネルはガヤガヤと賑わう昼時の学食にて、目の前で口煩く話すクロロを呆れ顔で見ていた。
「正直に言え。何故ヒソカを誘った」
「だから何度も言ってるでしょ?クリスマスだからパーティーくらいはしたいけど適役なのがヒソカしかいないから誘っただけ」
「あんな手の早いヤツのどこが適役だと言うんだ」
「適役でしょ。一人暮らししてるしちょうど一週間くらい前に彼女に振られたらしいし?」
「やめろ。襲われるぞ」
「今更それはないよ クロロも知ってるでしょ?もう過去に何度も一緒に呑んだりしてるじゃん」
クロロは不機嫌をあらわにし眉を寄せる。目線を学食の味噌汁に落としそれを平然と啜るリネルを見ながら、少し気まずそうに言った。
「……そもそも何故オレを誘わないんだ」
「だってクロロは幻影何とかって自分のサークルの呑み会あるんでしょ?マチに聞いたよ」
「マチの奴」
「どっちみちクロロ身体ひとつしかないじゃん。誘ってもサークル優先でしょ?」
「じゃあせめてイルミを誘え。ヒソカはやめろ」
「イルミはどうせバイトでしょ」
「オレがなに?」
リネルは当人の声の方を振り返った。そこには食膳盆を手にしたイルミの姿がある。
リネルの隣にイルミが腰を下ろすのと同時に クロロがイルミに言った。
「ちょうどよかった。お前は今日ヒソカの所に行ってオレが行くまでリネルを見張っていろ」
「バイトだよ。無理」
「今日イブだぞ。お前は毎日のようにそれを言っている気がするが」
「この時期の臨時バイトは時給いいからね」
「リネルの危機だ。休め」
「意味わかんない、何の話?」
イルミはリネルに顔を向けた。
「私 今日ヒソカとクリスマスパーティーするの」
「ふうん。それでクロロが過保護丸出しにしてるワケか」
テーブルの上にあったクロロの携帯がなる。クロロは画面を見るなり急ぎ席を立ち上がった。
椅子の背にかけてあるジャケットを素早くとると、忙しない様子でイルミに話し掛けた。
「いいなイルミ。オレが行くまでちゃんと見張れよ」
「だから無理」
「オレが着いたらバイトでも何処でも消えていい」
「どれだけ自分勝手なの」