第56章 次男の優越と苦悩/ミルキ目線/嫁夢主
暗殺を生業にするこの特殊な家の次男として生まれ育ったワケだけれど、総合的な意味で自分は1番の成功事例なんじゃないかと密かに思っている。
才能という意味ではキルアが1番なのは認める。本人も幼い頃から厳しい訓練に耐えて(まぁアイツは要領よくパパやイル兄の目を盗んでサボったりもしてたけど)持って生まれた才能だけじゃなく努力もしてたと思う。ま、本人にはこんな事死んでも言わねーけど(ムカつくから)。
けどキルの欠点は そんな才能の目を容易く摘む程に決定的だ、精神的に弱いし脆いし暗殺者としては0点。ホント宝の持ち腐れってヤツ。
うちの稼業継がせるならキルアってパパは絶対に譲らないし今となってはそれも半ば納得はしてるんだけどさ。ま、キル本人にはこんな事死んでも言わねーけど(ムカつくから)。
キルとは違う意味でイル兄もまた優秀であるとは思う。これは想像だけど第一子として生まれたわけで 自分達とは比べ物にならないくらい厳しく躾けられたんじゃないかな。洗脳と言い換えてもいいかもしれない、ゾルディック家の為にだけ動くロボットみたいなもん。一応は人間であるのにあの人には感情という物が殆ど感じられない。イル兄は人間としては欠陥品だと思う。ま、本人にはこんな事死んでも言わねーけど(なんか反応怖いから)。
アルカはちょっと特殊だから置いておくけど カルトもそこそこ成功事例かな、二番目に。人間味もあると思うしまだ幼いけど実力も悪くない、敵と見れば容赦はしない。才能メンタル共にバランスがいい。
ただ強いて言うなら親の言いなりすぎて少し真面目すぎるかな、世の中面白いコトや美味いモンはたくさん溢れてる。そういう娯楽を知ってこそ仕事ははかどるしメリハリも出る、人生そのものにハリが生まれると思うんだ。