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〈短編〉H×H

第55章 1ヶ月間/ヒソカ/甘


〈そして残すはあと1日〉

「結局来なかったねヒソカ。なんだったんだろう…」

「ま、よかったんじゃない?」

「うん…。1ヶ月間ありがとね」

「こちらこそ」

「?」

近付く気配に振り返ればそこにはヒソカの姿が……。

「や 久しぶり♡」

「ヒソカ……っ!!」

人の事怯えさせて。
そのくせ1度も顔出さないし。
文句の一言でも言ってやろうと思ったら後ろからイルミに服の襟元を掴まれた。

「わっ……!…えぇっ…?!」

「はい ヒソカ」

「どうも」

「えっ…え……?!」

訳がわかんない!!
気付けばふんわりヒソカに抱き締められていた。

「捕まえた。鬼ごっこはボクの勝ち」

「ど、…どういうこと?!」

「どうだった?この1ヶ月」

「どうって…」

「ボクに怯えてボクを気にして。ボクの事ばかり考えてた気分はどうだった?」

……………全部わざと?





「じゃヒソカ いつもの口座に入金よろしくね」

ええ?!もしかして最初からイルミもグルだったの?!

「クックック…届いた荷物を一ヶ月監視してそれが終わったら納品してねってボクの方が先に彼に依頼してただけ[D:63729]」

「ひ、人の心の中勝手に読まないで!」

「キミの行動はわかりやすいからね」

ヒソカは私を離すと 私の顔を覗き込む。

「ただ捕まえるんじゃ面白くないだろ?」

「なにそれ…っ!」

「心も身体もボクのものになってもらわないと」

「勝手に決めないで!!」

1ヶ月が全部ヒソカの思惑通りだったなんて…悔しい…

「そうそう 勝った方のいう事を聞くルールだったよね 」

ヒソカが何を言うかが、直感でわかった。

「今日からキミはボクのモノ」

やっぱり…最初から私に拒否権はなかったみたい。

久々に見るヒソカの小憎らしい薄ら笑い顔に不思議と懐かしさを覚えた。






fin


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