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〈短編〉H×H

第50章 添い寝のお願い/月餅トリオ


どうしようどうしようどうしよう!シズクに付き合ってオカルト系DVD見たら怖くて眠れなくなっちゃった…

仕方ない。ここは誰かに添い寝してもらうしかない…

「フェイ~」

「なんね ガキは寝る時間ね」

「…一緒に寝て?」

「意味わからないよ 他人と寝る趣味ないね」

「その、変なDVD見ちゃって、怖くて…」

スッと私に近づくフェイ。
相変わらず動き早いな…

グイッと顎を掴まれる。え、なに?
無理矢理 顔を引き寄せられれば細く鋭い瞳が私の顔を覗き込む。ち、近いって!!

「…えと、フェイ…っ?」

「2、3本歯でも抜くか」

「はいっ?!」

「痛みで恐怖を紛らわせてやるね」

いやいや、怖い事を……



「フィン~」

「どした?」

「一緒に寝て?」

「なんだよ 急に」

「シズクと一緒に怖いDVD見ちゃって寝れなくなっちゃって…」

頭をガシガシ掻くフィン。呆れた声を出しつつも 私を招き入れてくれる。

「仕方ねーな 来いよ」

「ありがとうっ」

ぬくぬく。あったかい。
フィンてお兄ちゃんみたい。

「…どこ触ってるの?」

「くびれ」

「…寝たいんだけど」

「夜 隣に女が来て大人しく寝れると思うか?」

真顔で言われても…なんか身の危険を感じる。



「シャル~」

「ん?」

「眠れないの。一緒に寝て?」

「どうしたの?急に甘えた事言って」

「お願い……」

最後の頼み。すがる目でシャルを見つめていると シャルは眉を下げてふっと笑う。

「しょうがないな 特別だよ」

「ホントに?!ありがとう!」

シャルなら安心。ようやく眠れる。

ん……?あれ、急に眠くなってきたような。

「シャル…な、なにか…した?」

「アンテナ刺した。良質な眠りを約束するよ」

え……、シャルは満面の笑顔で 携帯電話をいじりだす。

「ブラックボイス発動。強制終了」

確かに安眠。無理矢理に。






fin
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