第44章 マイナンバー対策/アダルトリオ/ギャグ
自信たっぷりに言うクロロの育ちと出身を思い出した。世間に存在を認められていないのだから未交付なのは当たり前だった。
「番号管理は蜘蛛のNo.で十分だ。12桁だと?ふ、無駄に長い割りに他文字との組み合わせもなく捻りに乏しい。大体顔写真を添えて個人番号カードを申請せねば正式なる身分証明として使えないなどとふざけているな、一方的に送り付けてきておきながらだ」
「…まあ、そう言われると、クロロの意見は一理あるね…」
「しかも個人番号カードの申請は任意とは笑わせる。統制したいがための政策でありながら任意扱いでは 各々の機関に提出される照明書類の数が増えるだけ。違うか?」
「ん?確かにそうだね…」
やたらとウンチクを述べるクロロの口元が歪む。その顔付きはA級首の幻影旅団そのものだった。
「総務省を襲いオレが全てを奪ってやる。この国の国民のマイナンバーデータを全てな」
「それはまた随分だな[D:63727]」
「ヒソカ イルミ 隠そうが偽造しようが無意味だぞ。元データを奪うんだからな」
「例えばマフィアの要人とかそういう人間のマイナンバーを奪うのはメリットがあるかもしれないけど国民全員はいらなくない?労力の無駄だよ」
「黙れ」
ピシャッと冷たく言うクロロに つい憐れみの目を向ける。無作為どころか国民全員に対しマイナンバーテロを企てる健気な男の本心が見えた。
「……クロロ、ほんとはマイナンバーが欲しかったなら素直にそう言えばいいのに………」
fin