第44章 マイナンバー対策/アダルトリオ/ギャグ
その日の晩はムーディな夜景と気泡が踊るシャンパンと共に 紳士とは言い難い男達と酒を飲み交わしていた。
「…でさぁ 私ね?会社に提出義務あるしコピーとって送った所まではいいんだけどさ、現物をコピー機の中に忘れちゃって!ホント焦っちゃったよー」
笑い話として投じてみれば、向かいに座る長髪の男が「そう言えば」と自身の例を話出した。
「仕事絡みで調べたい事があって闇サイト見てたんだけどさ。多分ガセだと思うけどオレ含めて家族の番号が既に流出してた」
「え、晒し?それまずくない?」
「多分ガセだってば、似たような記事だけでも沢山あったしね。そもそもウチは番号交付に向けて敷地内にセキュリティレベルA++の専用保管庫作ってるしその道筋の警備員も相当数雇ってるから簡単には持ち出せない筈だよ」
「す、すごいねマイナンバー対策…流石ゾルディック家…」
その隣に座る目立つ髪色の男が ふっと鼻先で笑って言った。
「甘いだろ。例えば使用人の裏切りや侵入者、……ボクだったら突破出来るかもしれないし」
「ヒソカ1人で破れるほどウチは甘くないよ」
「守るより偽造する。その方が賢いと思うなぁ[D:63726]」
いつの間にかヒソカの手元にはマイナンバーの通知カードがあり、指先でくるくる数字を撫でていた。
「…成る程。ヒソカってそういう能力なんだっけ?詳しくは知らないけど…」
「くく、」
1人だけ黙ったままの男の見解はどうなのだろう、少し気になり横目を向けた。クロロはシャンパンをコクリと飲み干すと静かに細いグラスを置いた。
「マイナンバーだと?くだらない」
「クロローくだらなくないよ?このご時世情報漏洩騒がれてるし国民のユニーク番号だから他人に知れたら悪用される危険もあるし」
「お前らと違いそもそもオレはノーリスクだ」
「なんで?」
「何故ならオレは所持していない」