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〈短編〉H×H

第43章 とある製作会社のAV企画/アダルトリオ/下ギャグ


“上手く周りに乗せられて”

初めのきっかけは実に良くある理由だった。地方のアングラアイドルはブームが去れば身体で稼がざるを得ないのだ。

元々本業には仕事も殆どなくバイトをしないと食べていけなかった。莫大な契約金に目がくらんだのは事実で 気付けば二本目の作品撮影への面接場面に立たされていた。

目の前には3人の幹部が座る。まだ若く見てくれのいい男性達で、きっと彼等も過去にはモデルか俳優でも目指していたクチだろうかと一方的な仲間意識を覚えた。

「よろしくお願いします…」

真ん中を牛耳る 艶やかなオールバックの男が 提出済みの昔の写真集と履歴書をパラパラ見た後、それを机の上に置いた。

「出演経験者ならば細かい説明は不要だろう。君にも意見を貰いながらホワイトスペースを埋める新ジャンルの作品を撮りたいと思っている」

「やっぱり電車での痴漢ものだよ。近親相姦にして耐え兼ねた兄が後ろから他人のフリしていよいよ…とかは?禁忌のスリルやバレそうでバレない感とか ジャポンの人間は陰湿だし好きだよね」

「イルミ オレの話を聞いていたか?何万本あるかわからない既存の物と被せてどうする」

「ボクは集団レイプものがいいなァ 思い切って地球外ロケ地の起用はどうだい?主人公は宇宙警官、パトロール中 どっかの惑星の宇宙人に凌辱され強制妊娠、地球にアブナイ遺伝子を持ち帰る」

「ヒソカ アイディアは斬新だが規模がデカすぎる。撮影だけで何兆かける気だ」

話は少しもまとまっていない、ただ痴漢にしろレイプにしろ犯罪臭だけは譲れない様子だった。左側の痴漢男が話を続けた。

「なら先週 万を時して開通が発表された最新リニアモーターカー内での事情は?電車オタクはもちろん妹を添乗員設定にすれば制服フェチも取り込めるよ」

「ほう…だがどうやってロケ場を作る気だ。リアリティは大事だぞ?最新型ならデータが少ないし内装を作るだけでも費用も時間もかかる」

「コネ使って鉄道会社おさえて現物を使えるように手配してみる。妹の制服もペラペラなのは安っぽくて嫌だしどっかのデザイナーアサインして脱がすことを前提とした身体見たくなる要素を追究したやつオーダーメイドで作らせるよ」

「お前は時たまディレクターの枠を超えて仕事をするよな」
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