第38章 ゾル家でポケGO/ゾル家ほのぼのギャグ/夢主なし
「……ピカチュウが出てこないのにジバニャンが出てくるって、イル兄 今のボケ?」
「だとしたらセンスねぇな」
「ミル キル、何か言った?」
「「なんも言ってないです」」
しばし携帯で何か調べ物をしていたらしいシルバが 急に声を響かせた。
「うむ。………聞け、お前達。そもそも火のない所に煙は立たんと言うだろう、お前達に指令を出そう。我が敷地内で伝説の最強ポケモン ミュウツーを捕獲するんだ」
緊急オーダーに息子たちがざわくつのも無理はない。様々な反応を見せていた。
「え?!パパ ミュウツーなんてレアなヤツほんとにウチにいるの?」
「マジなのかよ オヤジ」
「でもぼく欲しいかも。ミュウツー」
「当然 任務達成後に報酬は出るんだよね?」
「無論だ。潜伏中のターゲットを探し出し捕獲というのが今回のミッションだ。忘れるな、これは遊びではなく実践訓練だ」
◆
一斉に子供らがいなくなれば広い部屋はシンと静まりかえる。部屋の隅に控えているゴトーにシルバの視線が飛んだ。
「……ゴトー 聞いていたな?」
「はい」
「手配を頼む」
「はい。本サービス提供元兼 売買権筆頭親主である任○堂を全て買収し全世界のGPSシステムを把握網羅した後、本敷地内の適材適所へミュウツーを数体配置、並びに各諸国への影響調査とリカバリ案提示の手配を進めます」
「いいだろう、よろしく頼む」
湯のみをコトンとテーブルに置き、ゼノがやや呆れた声を放った。
「全く シルバ。相変わらず息子達に甘いと言うか何というか」
「まあまあ、もう パパったら…」
「言った通り、これは単純にある種の実践訓練だ」
そう言い切るシルバの表情は どこか父親らしかった。
fin