第38章 ゾル家でポケGO/ゾル家ほのぼのギャグ/夢主なし
ゾルディック家 夕食後の団欒時。そういえば、とイルミが話題を持ち出した。
「ねえ 最近ウチの周りをうろつく人間が増えたと思わない?」
「ああ ポケGOのせいだろ?ウチの山にレアポケモン出るってネットで噂たってるらしいよ」
3杯目のおかわりを頬張りながらミルキが答えた。
「レアポケモン?」
「そ。ミュウとかラッキーとか」
「ミュウが出現するとラッキーなの?」
「いや、ええと…そういう名前のポケモンが出るとってこと」
「ふうん。そうなんだ」
スマホを触りながらキルアは はあと息をつく。横ではゼノがジャポンの茶を啜っていた。
「でも実際いねえよな。ウチの敷地内一通り見たけど ザコい奴らばっか!面白くねー」
「ほぉキル、ということはレベル致死の毒研究ラボや立ち入り禁止区域指定の拷問部屋も…かの?」
「え?キル、オレの部屋にも来たの?どうしてオレが留守の間に来るの?」
「まあキルったら、ママのお部屋にも?ほほ ポケモンはいたのかしら?あ、そういえば先日ママの寝室のサイドテーブルの下にね、ほら、なんて言ったかしら青っぽい色した可愛らしいポケモンちゃんがいたのよ。何度かやってみたけれどうまく捕獲出来なかったのよ何故なのかしらね。ねえキル、あの子ほらお名前なんて言ったかしら?魚っぽいけれどヘビっぽくもあって、あれって尻尾なのかしらね、何か生えてたのよ、ねえ」
「勝手にアルカの部屋にも入ったという事か?」
「コフー まさかフィギュアコレクションシアターにも?ぶっ殺すぞ」
「……あーええと、軽はずみな発言でした、撤回します」
黙り込むキルアの向かい席で、カルトが両手でスマホをいじる。
「でもぼくもウチにレアポケモンが出るっていう噂は聞いた事があります。敷地も広大なので、もしかしたらどこかにいるんじゃないかと気になってはいるのですが………あ!」
「どうしたの?カルトちゃん」
「二代目当主肖像画の下にポケモンが。ゲットしました」
えへへと笑いながらカルトは隣のイルミに 採りたてポケモンを披露する。
「何だっけこれ、ジバニャン?」
「兄様 それはジャンルが違います。ジバニャンではなくピカチュウです」
「ああそうか、そうだった」
はははと仮面笑顔を浮かべるイルミの向かいで ミルキが控えめに言う。