第35章 sweet lover/イルミ/下ギャグ
「…とはいえなにも人形でなくても。お前ならばそこそこの美女でもうまく操ってモノに出来るだろ」
「他の女なんか目に入らないよ。マリル以上に浮世離れな綺麗なコ見た事ないし」
「だからそれは人形だからだ 模造美だろ」
「一目惚れって言うの?オレこの歳になって初めて経験したよ、なんて言うか赤い実がハジけたよね」
「知るか。というか人の話を聞け」
「お前らは盗賊なんて卑しい真似しかしてないし こういうの経験した事ないだろ」
「わっわたしは、私はイルミさんに会って一目惚れを経験しました!!」
「ふーん。マリル今日はいい匂いするね 何の匂い?香水?」
「驚く程流されてるぞ」
クロロの声は虚しく部屋に残った。
イルミの掌はそっと人形の髪を撫でる。ギャザーの寄るワンピースの襟元に、自らの指先を意味深に滑らせていた。
「この服いいね。よく似合ってる、かわいい」
「はうわああああああイルミさんの手つきがエロス…目のやり場に困るっ」
「脱がすの楽しみだな」
「………っ………ッ」
「無言で泣くな。いや気持ちは察するが」
「私ならイルミさんが望むなら喜んで脱いでこの身を捧げるのにっ…」
「やめておけ。ニーズがない」
クロロは大きな咳払いを挟んだ。
「イルミ、単刀直入に聞くが人形相手に男の欲求部分は本当に満たされるのか?」
「うん 全然問題ないよ」
けろんと言い切るイルミ。人形の頬を掌で包み、澄んだ瞳を覗き込む。
「マリルは最高だよ。下品な喘ぎ声出さないしアソコの悪臭もないし避妊もいらない。終わった後に化粧剥がれて化け物みたいになる事もないしね」
「……勝てる気がしない…っっ…」
「つまりはアレか。行き着くところまで行き着いた結果がソレなんだな」
クロロの指摘は的確だった。