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〈短編〉H×H

第35章 sweet lover/イルミ/下ギャグ


※夢主はイルミに片想い
※まともなのクロロだけ

◆◆◆

「オレ恋人が出来たんだよね」

「!!!???」

今夜のイルミは実にらしくない。
巨大ビルのカジュアルバーにて。宝石のような美しい夜景を見つめ 物憂げな横顔と共に、瞼の裏に最愛の女(ひと)を思いながら優しげな口調で恋人への愛を語る。

リネルは派手に席を立つ。脚の長いスツールは後ろにひっくり返りムードある店内に不快音を響かせるがそんな事を気にしてはいられない。

イルミ=ゾルディック

自身が所属する盗賊集団の団長であるクロロ経由で紹介され、何度か面識があった。一目で恋に落ち純情な一途さで好意を隠す事もなく 今日の今日まで慕ってきたというのに、彼の告白は余りにも衝撃的だった。

「い い イルミさんっ…それってホントなんですか?!」

「うん」

「聞いてませんよ!!!」

「うん。他所の人間に話すの今日が初めてだし」

クロロも当然リネルの恋心を知っていた。それなのにフォローもアシストも何もないままグラスを置き、口元に笑みを作っていた。

「お前ならば選り取りだろう。射止めた女性は相当の美貌か もしくは名器の持ち主か」

「もちろん両方持ってるよ」

「査定してやろうか。呼べ」

「やだ もったいなくてお前らなんかに見せられない。マリルが待ってるからオレはもう帰るよ」

イルミは残りの酒をさっさと喉に送り込む。早々に立ち上がり「最近仕事詰まりで今夜は久方ぶりのデートだ」とノロケながらバーを去ってしまった。

「嘘でしょ…イルミさん…っ」

「ふ、アレで案外尽くすタイプなのかもな」

「団長っ何とかして下さいよお!」

「元々お前の恋路が明るいとは思えないが。あのイルミの骨を抜いたオンナには興味がある」

ぴーぴー煩いリネルを無視したまま、クロロはにやりと微笑んだ。

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