第30章 彼氏と彼女の事情④/アダトリ/下ギャグ/夢主はイルミの彼女
「ちなみに私、付き合うならミッチーがいいけど結婚するなら桜木軍団の水戸クンがいい。絶対包容力あるし愛妻家だと思う」
「ふーん残念だったな。リネルの旦那は融通の利かない針野郎だ、2度と他の男の話なんか出来ないぞ未来永劫な」
「私は結婚するなら海南の牧クンかしら。女性に対しては紳士そうだしお金持ちそう」
「パクも残念だな。リアル旦那は家庭をかえりみない歴史に残る犯罪者だ、団長としては尊敬するけど 夫や父親としてはどうかと思うぞ」
「む~っ そういうマチはどうせ流川の奥さんになりたいんでしょ?」
「どうせってなんだよ悪いか!」
「別にー。マチの現実の旦那様こそ万年不特定多数相手に興奮しっぱなしの発情期のオオカミさんだけど?」
3人は顔を見合わせ、つい深い溜息をついた。
「…マチじゃないけど妄想と現実のギャップって結構大きいのかもね」
「…結婚てなると少し考えるものね、オンナとしては」
「…あたしはアイツと付き合うことになってからずっと現実どうしようって考えてるよ」
溜息はますます重くなってゆく。マチは口を尖らせた。
「考えれば考える程あの三人て爽やかさとは無縁だよな」
「強奪とか惨殺とか大量虐殺とか そういう世界に慣れ親しみすぎよね、人のこと言えないけれど」
「そういう意味では私のイルミさんは暗殺業っていう大義名分があるだけまだ健全な方なのかもしれない」
「スポーツで汗を流すとかそういう発想すらないんじゃないのか?」
「ないでしょうね。不要というか」
「Hはスポーツでベッドはコートなのにね」
「まぁそれは一理あるけれど。滲む淫らな体液は愛の汗というか」
「アンタ達と話してるとあたし疲れる」
「にしてもあの世界のキャラ達の爪の垢でも煎じて飲ませたいものね」
「は?楓クンの爪の垢をヒソカに与えるなんてもったいない、むしろあたしが飲む」
「…マチ、言いたいことはわからないでもないけど真顔で言わないで…」
いつの間にか沈黙が訪れた。