第30章 彼氏と彼女の事情④/アダトリ/下ギャグ/夢主はイルミの彼女
「どしたの?マチ元気ないね」
「べつにー」
「ただの恋煩いみたいなモンよね」
「ええぇ?!なに?なんで?ヒソカと何かあったの?」
興味津々で身を乗り出すリネル、マチは派手に顔をそらせ 遠い目を見せた。
「創り物世界の完成度の高さと現実実態のギャップ幅に感情がついていかないだけ」
「…なに?マチどうしたの?」
リネルは 細かな説明をしそうもないマチからパクノダに視線をずらした。
「実はね、先日仕事である書庫を襲ってあり物ごっそり盗ってきたんだけど。その中に多数あった漫画の一つにマチがハマっちゃったみたいで」
「へぇ~漫画?クロロも多趣味だね、なんて漫画?」
「スラ◯ダンク」
「あ 知ってるー!バスケのやつだ」
「あらリネルも知ってたの?」
「うん。イルミの家に図書館があって、弟君のコレクションらしいんだけど色々揃っててね。イルミが帰ってくるの待ってる間とか時々読んでるから」
ふむふむと納得をするリネル。
スラ◯ダンクといえば個性溢れるキャラクター達がバスケに打ち込むスポ根漫画で、カッコいい男の子が何人も描かれていたのは記憶に鮮明だった。
「いいよね~あれ、感動するしキャラカッコいいし。私は断然ミッチーだな」
「あら、王道ね」
「だってカッコいいじゃん。3点シュートがおハコって言うのもズルいよね特別感あって。あと一旦道それて挫折を知ってる所がいい、ああいう男は絶対強くなる」
「それは言えるわね」
「女の子に対してはちょーっとぶっきらぼうだったりしたら可愛いかも。扱いが乱暴でも実は優しくて、でも不器用でどうそれを表現してあげたらいいのかわからない…とか」
「女性関係はウブそうよね。プロファイルで見るとミッチーはバスケと不良だけの人生でしょうし。まあモテそうではあるけど」
「年齢設定十代だしね、その辺どうなんだろ」
「やっぱり童貞なのかしら?」
「気になるね…最初の頃はイクの早かったりしたら萌えるなぁ、ちょっと舐めてあげたらメチャ余裕なさそうな顔したりとか……」
「あり得そうね、早漏でも許せちゃうわ」
「だよね。次こそは俺が…!とかムキになって頑張ってくれたり?」
「ヤダ、可愛いわ」
「ね~ミッチーに色々教えてあげたい」