第26章 強く賢く生きる方法/イルシャル双子設定/現パロ/死ネタ
「でもさ。リネルに子供出来てたならオレ達3人でその子育てていく、なんて人生も面白かったかもね」
「なにそれ」
「表向きの父親はイルミ、でも実際の父親はオレ。母親兼 奥様は共通リネルでどっかに家でも買って平和に仲良く暮らす、とか普通な感じにね」
「それのどこが普通なの?お前の感覚狂ってるよ」
元々そんな気少しもない事は 彼の雰囲気から明らかだ。だが、仮に実現したとしたら “普通”に一番近い感覚を持ち合わせているのはリネルだろうか。イルミはふと 最後に見たリネルの顔を思い出した。
「あ、でも」
「んー?」
「もしそれが叶ったらその子供は苺嫌いにならないかもね」
「苺?」
「幼い頃から食べ慣れてたら 普通に好きになるかなって」
「………ああ 食べたね そういえば、苺のケーキ」
懐かしそうに瞳を細めるシャルナークの横顔を見つめる。確認を込めて聞いてみた。
「苺、好きになった?」
「まさか。ぶっちゃけ嫌い」
返答はやはり 予想通り。
結局、リネルの遺言と言える「また3人であの苺のケーキを食べに行きたい」なんて願いは2度と叶わないのだ。
fin