第26章 強く賢く生きる方法/イルシャル双子設定/現パロ/死ネタ
肩をすくめて見せるシャルナークが片手を伸ばしてくる。その手は素早く後頭部に伸び、急に近付く鼻先が触れそうになる。
無感情のままそれを見下ろせば シャルナークは至極愉快そうに甘い声で囁いてくる。
「……お前、ホントかわいいな」
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イルミは思う。喧嘩なんてものは数える程度しかした事はないが、いざとなると人の心を惑わす天性の才能を持つ片割れに なんとなく丸め込まれるケースは多い。今回もその一端と言えなくもない。
大きく伸びをするシャルナークは 少しだけ声のトーンを下げて話し出した。
「はあー…にしてもリネル死んじゃったのかと思うと何かこう、寂しい気持ちはあるよね」
「半々」
「素直なヤツー そもそもオレだけ悪者?」
「リネルがお前に本気で迫ったりしないくらいわかってる」
「どうかな~女ってコワイよ?特にアッチが絡むと 豹変するから」
「知ってるよ」
「本当かな、兄ちゃんはお前が心配だよ」
「え?兄はオレじゃなかった?」
「オレだよ」
「オレだってば」
「まあ どっちでもいいか」
隣にサッと腰掛けてくるシャルナークは 1人で少しの間を挟む。クスクスと含み笑いを持たせていた。