第26章 強く賢く生きる方法/イルシャル双子設定/現パロ/死ネタ
「ある仕事でたまたまたリネルと居合わせてさ。リネルと一緒に殺しやっちゃって逃げざるを得なくて」
「へえー そんな事あったんだ」
「うん。それで別々に逃げたんだけど その後リネルがどうなったか気にはなってたから この記事見つけた時にもしかしたらと思って 現地を直接調べたんだよね」
「フットワーク軽いなー相変わらず。で?リネルだったの?」
「そう。新聞に書かれてる内容は事実で 被害者はリネルだった」
「………あ~あ そっか。結局リネルはあの日言われた“強く賢く生きろ”ってのを守れなかったワケか」
シャルナークはほんの少し頭を伏せ 口元に乾いた笑みを覗かせる。イルミはそのまま話を続けた。
「リネル 妊娠してたって」
「え ウソっ」
「死んだ身寄りもない風俗嬢の事知りたがる人間なんていないしさ、わざわざ訪ねてきたオレに解剖医や警察が色々教えてくれたよ。それで、何を勘違いしたのかその場で血液検査させられてさ」
「………………」
「“父親はキミ?”って言われた」
「………ははっ お前いつの間にリネルとヤッたの?」
イルミの身体が勝手に動く。
茶化す声を出すシャルナークの態度が不快で 一気に彼に距離を寄せる。勢いに乗せシャルナークの胸倉を掴み そのまま壁に叩き付けた。刹那驚いた顔をするが シャルナークは一瞬で表情を戻し 全てを悟る意地の悪い目を向けてくる。
「……ヤキモチ?」
その声は悪戯に低かった。挑発的態度をやめようともしないシャルナークはイルミの手首をキツく掴んでくる。愛らしいのは顔だけで実の所、シャルナークは本当に可愛げがない。
「ヤったの?リネルのこと」
「ほら ヤキモチだ」
「ヤったのかって聞いてるの」
結果はわかっている。それをシャルナークに認めさせた所で今更何になる訳でもない。
それでもイルミにとっては 自分だけが蚊帳の外にされ 勝手に寝取られたのだから 感情に波がたたなくもない。これは当然の報いであるとも思う。
「ペニス切ってやろうか」
「は?!お前ホントにやりそうでコワイ」
「二度とふざけた真似出来ないだろ」
「勘弁してよ。まだ使いたいんだから」