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〈短編〉H×H

第26章 強く賢く生きる方法/イルシャル双子設定/現パロ/死ネタ


リネルは消えそうな声で応えた。瞳だけを動かし2人を盗み見る、イルミの首に両手を絡ませ 身体を摺り寄せる娘の後ろ姿が見えた。一方のイルミは目を伏せたまま 以前としてリネルを見ようとはしない。


「イルミだって、楽しんだらいいじゃない」


この娘には他人に行為を見せたがる趣味でもあるのだろうか。興奮要素の一つに利用され尚且つ 自身の保身の道具にも充てがわれている。どうしてこんな事に巻き込まれなければならないのか、不愉快であり理解不能だ。


「イルミの事ちょっとタイプって思ったの。私ってホラお嬢様でしょう?自由恋愛なんて出来ないし こういうコトも親の目もあるし……なかなかチャンスがないと……ね」


娘はブラウスの胸元に結わえられたリボンをそっと解く。白い身体をいやらしく覗かせ、ますますねだる声を出す。


「満足させてくれたら パパに内緒でお小遣いあげてもいいよ」



刹那、激しい憎悪を覚え眉間に深く亀裂が走った。

愛娘と同い年の使用人に欲情する親が親なら、初対面の男に足を開こうとする娘も娘。金で得た人間を「欲のはけ口」としてしか見ていないくせに それらしい言葉を並べたて その場しのぎの愛の真似事をする。

これは怒りなのか 妬みなのかもわからず唇が震える。視線のやり場がわからぬまま リネルはきつく拳を握った。

イルミの手が娘の胸元を撫でる。繊細なレースが乗る下着の中に手を差し入れ 丸い膨らみを包み押し上げる。布からこぼれる突起の回りを指先が焦らせば 娘は歓喜の声を洩らす。


「…そこっ ちゃんと触って?…ァ」


欲情した女の声色とはこんなにも悍ましいものなのか、見たくもないのに無意識にそちらへ目が向いた。

次の瞬間 リネルの心臓はドクンと大きな音をたてる。



「すごい顔してる」


真っ直ぐ絡み付いてくるのは よく知る強い眼光だった。


「そんなに やりたいの?」

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