第26章 強く賢く生きる方法/イルシャル双子設定/現パロ/死ネタ
「パパってばホント過保護なの!セキュリティやらシステムやらでうるさいこの時代に命狙われるなんて事どうせ殆どないし?あ、小さい頃1度だけ誘拐されそうになったことはあるけど」
「やる以上はきっちりやるから安心していいよ。指一本たりとも触れさせたりしないから」
「……頼もしいねぇ」
馬鹿にするようにも甘ったるくも聞こえる声が耳に障るが リネルに指摘など出来るはずもない。聞こえないフリを決め込むしかなかった。
娘はすっと立ち上がりイルミに距離を寄せる、じっと視線を投げた。
「イルミ 今日一緒に寝て」
「どういうこと?」
「護衛なんでしょ?もしも寝込みを襲われたら危ないじゃない。隣にいて?」
「別に同じ室内にいなくても対処出来るよ。部屋の前とか」
「………イルミってもしかして奥手なの?それともカッコつけたいタイプ?ただの真面目クンだったりして」
クスクス喉を鳴らす娘は ゆっくりイルミの片手を取る。
「せっかく主従関係になったんだから…もっと仲良くしよう?」
リネルの存在はまるで無視されたまま 勝手に進む話には嫌悪感を覚えてならなかった。指先からどんどん血の気が引いてゆくのがわかる。
娘はイルミの手を自身の胸元までそっと導いてゆく。
「どういうつもり?」
「ホントはわかってるでしょ?」
「オレの仕事はキミの護衛なんだけど。護衛のオレに襲わせる気?」
「そう。命令してるの」
「拒否すれば有る事無い事でっち上げて“襲われた”って騒ぎたてるとかそんなとこ?」
「ふふっ リネルも、あ リネルってそこのメイドね。リネルも証人。ね?リネル」
「………はい お嬢様」