第26章 強く賢く生きる方法/イルシャル双子設定/現パロ/死ネタ
初めのうちは軽く身体に触れる程度のセクハラに過ぎなかった。よくあることとして黙って目を瞑ってはいたが それをいい事に行為はあっという間にエスカレートしてしまう。 今では性行為を強要されるまでに至っていた。
「…欲しいのか? えぇ?」
「…はい…」
そう言わされ、機械のようにそう答える。すぐに立たされ後ろから 尻を掴まれ挿入される。この瞬間ももはや慣れっこだ。
「んぁっ、…あぁ…ッ!」
ただ、この家での性処理はマイナス面ばかりでもない。何もかもを金にものを言わせたがる下衆な人間なので 見返りは十分にもらえていた。数十分耐えながら演技を続けているだけで 使用人業とは別の副収入も得られるのだから 暴力団の絡む危険な風俗店に身を置くよりは ここの方が随分安心と言える。
「や、あっ…ああぁあ」
「イくのか…っ?!ええ?!」
「…っ、…旦那さまの で イっちゃう…!!」
「もっと言えっ もっと」
相変わらず快楽は薄いが 恐怖も少なくなっている。自己防衛の為か、もしかしたらあの日のシャルナークのおかげなのか、今では秘部が濡れるという感覚を学習していた。
「でるっ、出すぞ……!」
それでも身体とは裏腹に 心は渇ききったままで ますます虚しく冷めるばかり。
そんな時は退園したあの日、3人で食べた酸っぱいだけの苺ケーキの味がとても懐かしくなる。
◆
この屋敷での生活にも慣れた頃。リネルはいつものように夕食の席にて 給仕の任についていた。
リネルは大きなテーブルを囲う家族に目を向ける。昨晩はあれ程リネルの身体を求めていたこの家の主人と、化粧ばかりがきつく何も知らないこの家の夫人、そして細い顎をツンと上げ 澄ました顔をするこの家の一人娘。
表面的な仲良し親子の会話をしながらナイフとフォークの音を品良く響かせている。