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〈短編〉H×H

第26章 強く賢く生きる方法/イルシャル双子設定/現パロ/死ネタ


初めのうちは軽く身体に触れる程度のセクハラに過ぎなかった。よくあることとして黙って目を瞑ってはいたが それをいい事に行為はあっという間にエスカレートしてしまう。 今では性行為を強要されるまでに至っていた。

「…欲しいのか? えぇ?」

「…はい…」

そう言わされ、機械のようにそう答える。すぐに立たされ後ろから 尻を掴まれ挿入される。この瞬間ももはや慣れっこだ。

「んぁっ、…あぁ…ッ!」

ただ、この家での性処理はマイナス面ばかりでもない。何もかもを金にものを言わせたがる下衆な人間なので 見返りは十分にもらえていた。数十分耐えながら演技を続けているだけで 使用人業とは別の副収入も得られるのだから 暴力団の絡む危険な風俗店に身を置くよりは ここの方が随分安心と言える。

「や、あっ…ああぁあ」

「イくのか…っ?!ええ?!」

「…っ、…旦那さまの で イっちゃう…!!」

「もっと言えっ もっと」

相変わらず快楽は薄いが 恐怖も少なくなっている。自己防衛の為か、もしかしたらあの日のシャルナークのおかげなのか、今では秘部が濡れるという感覚を学習していた。

「でるっ、出すぞ……!」

それでも身体とは裏腹に 心は渇ききったままで ますます虚しく冷めるばかり。

そんな時は退園したあの日、3人で食べた酸っぱいだけの苺ケーキの味がとても懐かしくなる。





この屋敷での生活にも慣れた頃。リネルはいつものように夕食の席にて 給仕の任についていた。

リネルは大きなテーブルを囲う家族に目を向ける。昨晩はあれ程リネルの身体を求めていたこの家の主人と、化粧ばかりがきつく何も知らないこの家の夫人、そして細い顎をツンと上げ 澄ました顔をするこの家の一人娘。

表面的な仲良し親子の会話をしながらナイフとフォークの音を品良く響かせている。



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