第26章 強く賢く生きる方法/イルシャル双子設定/現パロ/死ネタ
「これでは話が違う」と講義を申し立てれば 規約違反だと怒鳴り散らされ脅される始末。言われるままに名前を書いてしまった 内容の1割も理解していない契約書を突き付けられた。
「嘘…」
その中には、任期を待たぬ放棄時には数千万の違約金が必要などと 見えないレベルの小文字でしっかり書いてあるではないか。一気に血の気が引き、床に額を擦り付け謝罪を述べるが 当然そんなもの聞いてくれる相手ではない。
「……客の相手出来ねえんじゃそもそも契約違反だろが」
「いやっ、」
タバコと酒くさい狭い事務所の中、数名の従業員相手に手足を抑えられ 初めての性行為を強要された。リネルにはこれが犯罪行為であるともわからず、浅はかな判断で他人を信じた自分を責め 歯を食いしばり涙するしかなかった。
その後何度か客の相手をさせられた。それでも賃金が増える事はなく、狂ったように身体を貪ってくる男達には嫌悪と憎悪ばかりが渦巻いた。
強く賢くどころか こんな生き方は搾取される弱者に過ぎない。まだせめて、数ヶ月前の低賃金労働の方がいいと思うが 今更そんな願いが叶うわけもない。この生活はいよいよ限界だった。
「…………っ、……!!」
そして今夜、意を決して飛び出したというのに リネルの逃走劇はあっという間に終わりを迎えてしまったのだった。
◆
「2度とふざけた事出来ねえようにしてやろうじゃねえか」
「ぐはっ…」
頭を拳で殴られればもう一度 目の前に気持ちの悪い揺れが伝わる。身体が崩れ口からは唾液が落ちた。
薄い服を雑に割かれると透ける程白い身体があらわになる、同時に腕を強く掴まれた。回る視界を必死に定めれば、見慣れないものが飛び込んでくる。
「漬けてやる」
不気味に光るのは透明の液体が入った注射器の針だ。中身が何なのか、正確には不明だが こんなものを投与されたら最期、ボロボロになって死ぬまでここから抜けられないのは嫌でもわかる。震えが止まらないまま 無意味な抵抗をするしか術はない。
「ひっ、いや イヤああ!!」
「おら、ヤクとコレがないと生きてけねえ身体にしてやっからよ」
「ふ、…んくッ」