第23章 喜劇!?ロミオとジュリエット/ハンター学園/ギャグ
中々前に進まない配役選定。
リネルはハッと目を見開いた。
「先生!ここは思い切って趣向を変えてはどうでしょう?!」
「なーによ今更。ロミジュリは譲れないわよ」
「違います、男子にやってもらうんです。ジュリエットを」
ざわざわざわ。当然クラスの男子達の心は穏やかではない。
「ほーお、面白いわさ。で、誰を推薦するの?」
「クロロ君はどうでしょう!」
心ここにあらずといった雰囲気で本に視線を落としていたクロロは ゆっくり顔を上げた。
「……なんだって?」
「だからクロロ君がジュリエット役なの。アンニュイな雰囲気もそれっぽいし」
本を閉じ クロロ少しだけ目を伏せる。
「拒否する。と言ったら?」
「舐めた事言ってるとペナルティだわさ。筋トレルームにて特濃キッス+密着ベンチプレスビスケちゃんバージョンもちろんマンツーマン むふふ」
「…先生はホントわかりやすい男女差別だよね…」
クロロは面倒そうにしながらも皆の前に立つ。
「ロミオ お前はなぜロミオなんだ?」
なにやら口調は多少脚色されているが。繊細な睫毛が作る憂いある影、絵画の如く洗練されたクロロの雰囲気は儚げで刹那的 それでいて色褪せぬ強さと品ある色香を備えている。神話世界の神々も息を飲む美の化身型ジュリエットにクラス中が固唾を飲んだ。
「いきなりハイレベルじゃないの…。ロミオはどうしようかしらね、リネルやってみなさいな」
「はえっっ?私すか?!?!」
「言い出しっぺはアンタでしょ。男子がジュリエットなんだから女子がロミオでもおかしくないわさ」
ビクビクしながらリネルはクロロの向かいに立った。