第23章 喜劇!?ロミオとジュリエット/ハンター学園/ギャグ
キーンコーン カーンコーン…
ハンター学園にて。
今年の文化祭のラストを飾るのは かの有名な名作「ロミオとジュリエット」
本クラス担任のビスケは両手をパンパン叩きながら声を張っていた。
「ホレホレ!いつまで騒いでる気!?静かにしないとぶん殴るわさ」
キルアはハンと声を鳴らし、目元を細めた。
「うわ出たぜ!暴力教師~」
「あああそう。ならアンタには特別に筋トレルームでビスケちゃんの特濃キッスをプレゼントするわさ」
「マジ勘弁して下さい」
0.02秒で謝るキルアの横で、リネルは手を挙げた。
「でも先生~文化祭まであと一週間しかないのに配役すら決まってないってヤバくない?」
「何とでもなるわさ。シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を担当クラスで催すのがあたしの長年の夢だったんだわさ!気合入れていきなさいなアンタ達」
とりあえず 配役を決めぬ事には進まない。立候補もないので 指名制との方向で決定した。
はいはーい!とリネルは元気に挙手をする。
「ジュリエット役はマチがいい!美人だし密かに後輩人気もあるし」
「は!?あたしヤだよ」
「ふーむ…。じゃあマチ、こっち来て例のシーンの台詞言ってみなさいな」
ビスケの指示(強制命令)を受け、マチはしぶしぶ教卓前に立った。
「おおロミオ あなたはなぜロミオなの?」
鋭い瞳に仏頂面、感情のない台詞捌き。
(約一名は肩をひくつかせ呼吸を荒くしていたが…)
恋心の欠片もない尋問型ジュリエットにビスケが唸りを上げた。
「全っ然ダメじゃないの アンタやる気あんの!?」
「あるわけないだろ」
「真面目にやらないと…ロミオ役はそこでズボンのポケットに手突っ込んでニヤついてるヒソカに決定するわさ?!」
「はぁ?!ふざけるなよ!」
「くく…マチみたいなジュリエットになら罵られてもイイな」
「キモい殺す」
「ほほほっ照れちゃって。乙女心はチョットわがままな気まぐれバイオレンス。恥ずかしがらなくていいわさ?」
「何が乙女心だクソババア」
ピシリ。教室内の空気とビスケの笑顔が派手に引き攣った。