第22章 一日保育園/アダトリ/ギャグ
「この子を、ユイをよろしくお願いします!!」
『ちょっと!……えーーーー!』
街中で知らない女性に泣いている子供をいきなり手渡され、思い切り困惑しているリネル。
母親は夕方五時には必ず戻ると言い残しその場を早足に去ってしまった。
「あーん!あーん!あーん!」
『どうしたどうした~?!……はぁ、どうしよ…』
子守など経験すらないリネルは困り果て、とりあえず知り合いであるクロロのウィークリーマンションへ向かった。
ピンポーン
「なんだリネル、お前いつの間に母親になったんだ?」
ドア開けるなりそう言うクロロにリネルは困った顔をして泣き付いた。
『違うよ!!夕方までってなんか任されちゃって!ねぇ手伝ってよ、1人じゃどうしたらいいかわからない』
「子守なんか俺もわからん、他を当たれ。大体何故俺を頼ってくるんだ」
『旅団て保育園みたいなもんじゃん!』
「そう思うならシャルかパクでもあたれ」
『団長のくせに念封じられたりでみんなに迷惑かけてる自覚はあるんだね一応』
クロロの部屋に押し入るとその子をそっとその場に下ろす。
泣きじゃくっていたが、知らない場所に少し興味が出たのかユイはきょとっとしながらあたりをキョロキョロ見回していた。
『あ…泣き止んだ、よかった』
「なるほど。この部屋のアジトに似せた廃墟感が気に入ったのか?わかるヤツだな」
『気に入るわけないでしょこんな小汚い悪趣味な部屋』