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〈短編〉H×H

第20章 愛玩人形/イルミ双子妹夢主/16歳時点/日常


リネルはぐるりと頭を回し大きく首を傾げる、ミルキの指摘は少しも解せなかった。アルカへのお願いのタイミングが一度も合わなかったことそこ幸いであるし お願いなんてないのはどこまでもリネルの本心だった。

でも、強いていうならば。リスク要素しかない得体の知れない子供は今のうちに消してしまえばいいと 簡潔なイメージが湧く。昨日白昼フランソワを破壊した感覚が 強く身体に押し寄せた。リネルの瞳が優しげに細められる。



「私嘘つきじゃないのかも」

「………なに 急に」

「またアルカとフランソワで遊びたいと思ってるもん」

「………あっそう………、クソっ」

ゲーム機から出るゲームオーバー音を聞き ミルキは大きな舌打ちをする。

「リネル姉 なにして遊ぶー?」

「うーんと、そうだなぁ」

「あ!ねえ、チョコロボくんの限定ロボットにも魔法かけられる?!」

「キルのためなら頑張ってみるよ」

キルアの相手をしながら、心の中で1つだけ興じてみる。
“願わくばもう一度だけ アルカとお人形遊びが出来ますように”
それが叶う暁には今度こそ、心臓を人質にした世界一安全で凶悪な兵器が作れるかもしれない。そんな夢物語を想像してみる。

「“僕の名前はチョコロボくん”」

「フランソワと声一緒だし!」

リネルも大概 発想はまだまだ幼い子供レベル、頭の中で自分を嘲笑った。



fin
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