第1章 Prologue
って、今更だけど敬語使ってないな・・・
気にしないけど
「じゃあもらうよ」
「うむ・・・あぁ、そうじゃ」
おじいさんはそう言って奥のほうにあった扉の中へ
その向こうからガチャガチャを音がしている
・・・何か探してるのかな
扉を開けて出てきたおじいさんの手には
小さなピアスだった
「これを一緒にもらってはくれんか?
それと対になる耳飾りじゃ・・・」
ブレスレットと同じ色の石が付いたピアスは
左耳につけられるようになっているみたいだ
「左耳の耳飾りは守る者、という意味での・・・
強い目をしたお嬢さんにピッタリじゃろうな」
そう言って優しく笑ったおじいさんは
そのピアスを私に持たせてくれた
「・・・ありがとう」
「あ、女の人が左耳にピアスをつけると同性愛、っていう意味もあるらしいよ~」
「え、私は違うよ」
「大丈夫じゃよ。同性愛という意味もあるが・・・
それは自分の立場を表しているからでの・・・」
おじいさんがいうには、さっき言ったように
左は守る者、右は守られる者という意味があり
一般的に女性は守られる者
男性は守る者となっている
なので、女性なのに守る者ということは自分は女性ではない
それを表しているといわれたそうだ
「しかし、最近は女性にも強い心を持った人がいるからのぉ・・・
わしは女の人でも守られるだけではないと思うよ」