第21章 引っ越し〜相澤消太〜
「まず、俺とお前が同居してるのは学校では絶対に言うな」
「それは、言う気は無いけど、もしもって時があるじゃない?」
「じゃあそれ以外でだ。そもそも そんなもしもの時なんてある訳がない。それに学校にバレたら面倒くさい」
これは・・・絶対に後者が本音だろうなぁと思う 基本的に物事に対して面倒くさがりなのは良く知っているから
「わかった、学校では言わないし、あんまり関わらないようにするから これでいいでしょう?」
言いながら はい終わりのように立ち上がると用意してくれた部屋の荷物を片付けようと足を進める
「あぁ・・・・それとだな」
「?まだ何かルールでもあったの?」
振り向いて聞いてくる華に消太は少し躊躇いがちに目を逸らしながら小さな声で呟いた
「その・・・なんだ、まだちゃんと言ってなかったと思って・・・入学おめでとう華」
「・・・っ!あ・・・ありがとっ!・・・・・部屋!部屋片付けてくるっ」
まさかの言葉に赤くなる顔を隠すように逃げるように部屋に入ってバタンとドアを閉める
「・・・ホントやめてよね・・・・」
火照った顔がまだ諦めていない事を物語っている
なんだかんだでパパから庇ってくれるのも
合理性だって言って渋々同居を決めたのも
綺麗に書斎をさり気なく片付けててくれたのも
少し躊躇いがちに祝ってくれるのも
全部好きだ