第20章 相澤消太〜両者〜
本当は直接顔を見て文句でも言ってやろうかと家に行った。彼女が帰って来る前に秋彦にも事情を聞こうかと思い出向いたのだが
出迎えてくれた2人の様子は華はちゃんとしていただろうかとか、制服似合っていただろうかとか、さも俺が華が入学するのを知っていたような口ぶりだった。
「あの・・・お2人はよく入学許しましたね」
「ん?だってお前の許可もらったから許したんだけど」
「・・・・は?」
「ん?違うのか?」
きょとんとする秋彦に首を傾げる絵里に小さく首を振った
「雄英に来ることも許可した覚えもない・・・・そもそも連絡すらしてませんが」
俺の言葉に2人はピシッと固まった これは・・・彼女は俺に言わずに入学した、しかも俺に許可を貰ったと嘘をついて という事なのだろうか
何故彼女が嘘をついて雄英に来たのかがわからない。
ここじゃぁなんだからと言ってリビングに通されると大きなソファに腰を下ろした
「僕はてっきり消太が華の様子を報告しに来てくれたと思ったのに・・・・」
「すいません、違う展開で」
「あらあら、消太さんが謝ることないわよ、悪いのはあの子なんだから、パパにガツンと言って貰わないと」
ふふっと笑いながら2人分のコーヒーを持ってくる絵里は楽しそうだ
「あぁ、消太は口出し無用で頼むよ、お前はいつもあの子に甘い」
「別に・・・甘いわけじゃ・・・」
「いーやっ、甘いね、僕が華を叱ると必ず横からチャチャを入れる」
ビシっと指差すように言われると面白くなさそうに秋彦はコーヒーに口をつける
「出しませんよ、彼女も大人だ」
そう言って軽く笑って同じようにコーヒーに口をつけたのがつい先程前
思わず、ついつい癖で彼女を援護してしまった
目を見開く華と秋彦の笑顔が引きつる だって、あんなに必死に謝る姿に咄嗟に口を出してしまった
「別に小さい子供でもないんだし、自分の身は自分で守れるだろうし、何かあっても俺たち教師がいます」
「・・・それは消太が守ってくれるってことかい?」
「俺も含めて教師達もって事です。秋彦さん達が心配なのはわかりますが華を信用してやったらどうです」