第20章 相澤消太〜両者〜
そっけない、メールを送ってから数時間後、華は家にトボトボと帰っていた。
あんなメール送らなければ良かったかなとか、久しぶりにしたメールが あまりにも普通で少しムカッてきたとか
グルグルと考えていると、家の玄関へと着いた。
ガチャリと扉を開けると、昔見た懐かしい靴が綺麗に並んでいた。
慌ててリビングへと向かう扉を開けると、そこには入学式に見た人物が座っていた。
「お帰り、華。入学式はどうだったかい?パパ、話が聞きたいな、じっくりと」
にっこりと笑顔を向けてパパは話しかけているのに・・・・目が笑ってないよ〜!!
ポンポンとソファを叩きながらこっちに来いと目で訴えられて一瞬ビクッと怯んだが、今行かないと後が怖い!
恐る恐る空いているソファへ近づくとゆっくりと腰を下ろした。その様子を消太くんは何も言わずにただ見ているだけだった。
「さて、華 何かパパ達に言うことがあるんじゃないかい?」
にっこりと笑う様子は穏やかに見えるが目の奥が笑っていない。こう言う時のパパは正直に言った方が後が怖くない
「・・・・消太くんに言うの忘れてた・・・」
「言う期間はたくさんあったよね?いくらここずっと消太が来ていなかったからってそれはいけないよ?」
「・・・ごめんなさい」
「いや、でも俺もずっと連絡取れなてなかったし仕方ないですよ」
シュンとする様子に居心地が悪かったのか消太くんがそれとなく助け舟を出してくれた
「それとこれとは別だよ、僕は消太が華の入学に反対しなかったって聞いて雄英に行く事認めたんだ。それなのに嘘までついて」
はぁっとため息をつく秋彦の顔は少し悲しそうだった
「・・ーっ!ごめんなさい!パパ!ちゃんと言うつもりだったのっ!でもなかなか消太くんに言い出せなくて!そんな顔しないで!」
「・・・確かに、最初入学式で見たときは驚いたが、ウチはセキュリティもカリキュラムもしっかりしているし大丈夫だと俺は思いますよ。それに華は普通科だからヒーロー学とかそういった類はないし、コイツもヒーローになる気はないんじゃないですか?」
焦ったような口調の様子に思わず消太は華を庇ってしまった